ポケットの外のモンスター

蟷螂の斧って言葉あるじゃん。
意味は説明しなくともわかるだろうし、わからなければ調べるだろうからさておいて。
あれ、斧なんだね。
カマキリなのに。
え？ お前の両手のそれ、鎌じゃないの！？
斧！？ ええ！？
――というのは、何番煎じだろう？
ラーメンズっぽい？

ジーンズというかデニムというかジーパンというか、とにかくそういう、デニム生地の、パンツ？ ズボン？ があるじゃないですか。
あれってポケットが前に付いてるんだよね。
後ろにもついてるけど、こう、横の部分というか、ね？ 前に付いてるよね。

歩いてる時の手の適切な位置が気になってるんだ。
特に急いでるわけでもなく、ただ普通に、自然な感じで歩いてるときの適切な手の振り方とか、手の置き方とかが。
あんまり勢い良く腕を振ると「行進かな？」ってなっちゃうし、あまりにも振らないとそれはそれで手の置き場に困る。
(なんと驚くべきことに、普通の人は歩いている時の手の置き場所など全く気にしないらしい)

だからいつもポケットに手を入れるんだけど、さっき言ったようなのだと、前にポケットがついてるから肩が窮屈になって、歩きづらくなる。
気温の低い時期なら上着にポケットついてるから良いんだけど、気温が上がってくるとどうにもならない。

詰んだ。

と思ったら別に全然そんなことはなかった。
チノパンはポケット横についてた。
イエーイやったぜ先に教えといてくれ。

こうしてポケットが前に付いているズボンだかパンツだかとはお別れしたのでした。
別にめでたくない。