絶対評価

全然自分の体調を説明することができない。
頭がガンガン痛むとかズキズキ痛むとか、全然わからない。
その擬音？ 擬声？ が適切なのかもわからない。
説明できるのは、ただ痛いってことだけ。
こういう話をしていると、仮病だったのか本当に痛かったのかもうよく覚えてないけれど、親に「頭が痛い」と言うと、大抵「どうせ仮病でしょ」って返されたのを思い出す。
わかったような口聞きやがって。
多分実際仮病だったことのほうが多いだろうけど。
なら「どういう考えがあるのか/何を思っているのか知らないけど――」なんて同じ口から言うなよ。
もう全然わかんないよ。
わかってたんじゃねえのかよ。
まあ、いいや。

それと同じで、薬が効いてるのかどうかもよくわからない。
飲んでない場合と飲んだ場合を比較できないから。
あー、体調の説明を出来ないのもそれだ。
普通がわかんないから曖昧な言い方しかできないんだ。
「どうされました？」と訊かれても、「実際頭は痛いし何に対してもやる気は起こらないし外には出たくないし死にたいし俺なんか生まれるべきじゃなかったって思ってるけどこれって実際は仮病なのでは？ 普通の人も普通にこれくらい考えるのでは？」と思った結果「え、あー頭が痛い、です。多分」みたいなことしか言えない。
俺はずっと普通を知りたかったんだ。
だってきっとそうすれば俺のことが相対的にわかるはずだから。
わからないまま線路から弾き出されて（自分から下りて）しまったのでした。
めでたしめでたし。